NICE STORY介護業界のちょっといい話

その2:転職でも安心!頼れる先輩のサポート制度

介護業界のちょっといい話業務・職場

「これから介護の仕事をしてみたい」という未経験の方は、職場になじめるか?きちんと仕事がこなせるか?心配になりますよね。ならば、頼れる制度を用意している施設を選んでみてはいかがでしょう?

経験が浅い方や未経験の方が転職した場合、どのような業界であっても、最初の研修を経てすぐに現場に出て、「OJT(On The Job Training)」で実際に仕事をこなしながら技術や知識を覚えていくことが多いでしょう。それは介護業界でも同じです。
しかし一口に介護の仕事といってもその幅は広く、施設の種類によっても異なり、利用者さんの身体や命に関わる事柄も数多くあります。また、チームで動く場合はその中でどうすればよいのか、最初はわからないもの。転職の際は誰でも不安に思ったり、悩んだりするのは当たり前です。
そこで、そんな心配や悩みをなくして、いきいきと業務に取り組んでもらうため、「先輩が新入社員の教育係・相談係となる制度」を取り入れているケースも増えてきました。

では、実際に介護業界にはどのような制度があるのでしょうか? 主な例を見ていきましょう。

チューター制度

チューターとは?

tutorは個人指導教師の意味です。新入職員や経験の浅い職員・後輩などに、仕事上必要なことを教える役目の人のことです。

チューター制度の例

[ A施設 ]

独自の「チューターマニュアル」を作成し、誰がチューターになっても指導内容が偏らないような制度を作成。新入職員が入職すると先輩職員がチューターとなり、細やかなコミュニケーションをとりながらマンツーマンで介護の知識・技術・心構えを教えてくれます。

[ B施設 ]

新入職員研修が済んだら、2〜4年先輩がチューターを担当。1年間はチューターについて仕事を学びます。年齢が近い職員が指導担当となることで、現場での経験を聞けたり、悩みなどが話しやすかったりというメリットがあります。

メンター制度

メンターとは?

mentorは指導者、先輩、助言者と訳されます。ビジネスでは通常、仕事以外にもモチベーションの維持・向上、キャリア形成などについてもサポートする役割を指します。指導を受ける方をメンティと言います。

メンター制度の例

[ C施設 ]

少人数の施設内では仕事の相談はできても個人的な悩みなどは打ち明けにくいため、介護の知識がある社外メンターを選定。職員からは、なかなか話しにくい事柄も相談でき、業務に集中できると好評です。

[ D施設 ]

先輩職員がメンターとなり、1週間に1度新入職員との面談を行っています。仕事での悩みや人間関係の相談だけではなく、キャリアアップや成長のためのアドバイスも行っています。

エルダー制度

エルダーとは?

elderは直訳すると「年長の、先輩の」という意味です。上司ではなく、比較的年齢の近いお兄さん・お姉さん的な先輩が教育を担当します。

エルダー制度の例

[ E施設 ]

2〜3年先輩がペアとなって、新入職員を1年間サポート。年齢が近いため、仕事だけではなく日常生活の悩みごとなども気軽に相談しています。職場や他の職員との仲介役も果たし、新入職員が早く職場になじむ手助けにもなっています。

[ F施設 ]

こちらではエルダーは「指導者」ではなく後輩の「見守り役」と位置付けています。普段から新入職員の様子を見守り、必要なタイミングを見計らいエルダーの方からも積極的に声をかけるようにしています。

プリセプター制度

プリセプターとは?

preceptorは「指導者、教師」という意味です。指導を受ける方はプリセプティと言います。

プリセプター制度の例

[ G施設 ]

勤続2年以上の先輩職員が、マンツーマンで新入職員を指導。現場で得た自分の経験やテクニックを後輩に伝授して、仕事に必要な能力を育成。また、良き相談者としてサポートしています。

[ H施設 ]

介護職員の能力向上のためプリセプター制度を導入。身近な先輩職員が、新入職員の組織人としての能力・専門家としての能力・自らキャリアアップしていく能力などを育てています。

まとめ

これらの用語は厳密にいえば違いがあるのですが、実際はいずれも「上司ではなく先輩が後輩の指導をしたり、相談に乗ったりしてサポートする制度」となっているようです。大抵の場合1対1でペアを組むため、性格が合うかどうかが大切で、相性を考慮してマッチングします。制度がある施設の新入職員からは、「歳が近い先輩には何でも相談できるので、悩むことなく仕事に集中できる」「違う業界からの転職で不安があったが、先輩が見守ってくれるので安心」といった声もあります。
教える方の先輩職員は、通常の業務に加え新たな仕事が増えて負担になるように思われがちですが、指導のための研修やマニュアル、サポートシステムなどを整え負担軽減が図られています。また、「自身のスキルアップになる」「指導者として成長できる」といったメリットがあります。制度のおかげで働く人の負担が減り、「離職率が下がった」と感じている施設・事業者も少なくないようです。
こういった制度がある施設・法人は、ホームページの求人ページなどに明記していることが多いので、気になる方はぜひチェックしてみてください。特に経験の浅い方にとって、初めから「頼れる人がいる」とわかっていると心強いのではないでしょうか。